【tradingview】ストラテジーテスターを使用した戦略のバックテスト手法
こんにちは。今回は、tradingviewについて初心者エンジニアに向けて、ストラテジーテスターを使用した戦略のバックテスト手法について解説します。
tradingviewは、株式や仮想通貨などの価格チャートを分析するためのツールです。特にトレーダーや投資家にとっては、リアルタイムな価格データやテクニカル指標を活用した分析が可能であり、トレード戦略の検証などにも役立ちます。
ストラテジーテスターは、tradingviewの機能の一つであり、過去の価格データを使ってトレード戦略をバックテストすることができます。これにより、自身のトレードアイデアや戦略のパフォーマンスを評価し、改善することができます。
以下では、ストラテジーテスターの基本操作からバックテスト結果の解析、トレードログの表示など、具体的な手法を紹介します。
ストラテジーテスターの基本操作とバックテストの実行
ストラテジーテスターを利用するためには、まずtradingviewにアクセスし、チャート画面を開きます。そして、画面右上にある「ストラテジーテスター」アイコンをクリックします。
ストラテジーテスター画面が表示されたら、まずはバックテストする時間枠を選択します。時間枠は「時間幅」と「時間の長さ」の2つで構成されています。時間幅はバックテストの基準となるチャートの時間枠を指定し、時間の長さはバックテストの実行範囲を指定します。
次に、バックテストする戦略を選びます。tradingviewでは、pineスクリプトと呼ばれる独自のプログラム言語を用いて戦略を記述することができます。pineスクリプトは、pythonに似た構文を持ち、簡単に自身のトレードアイデアを実現することができます。
以下にサンプルのpineスクリプトを示します。
//@version=4
strategy("simple moving average crossover")
shortma = sma(close, 10)
longma = sma(close, 30)
if crossover(shortma, longma)
strategy.entry("buy", strategy.long)
if crossunder(shortma, longma)
strategy.entry("sell", strategy.short)
上記のpineスクリプトは、単純移動平均線(sma)のクロスオーバーを利用した戦略です。短期のsmaが長期のsmaを上回った場合には買いポジションを、逆に短期のsmaが長期のsmaを下回った場合には売りポジションを取るというロジックです。
バックテストする際には、上記のpineスクリプトを入力して、確認ボタンをクリックするだけで簡単に実行することができます。
バックテストのパラメーターと期間の設定方法
バックテストを実行する際には、さまざまなパラメーターを設定することができます。これにより、異なるパラメーターや期間でのバックテストを行い、最も優れたパフォーマンスを示す戦略を選択することができます。
具体的なパラメーターとしては、取引手数料やスリッページ(約定が理想通りに行われない場合の価格のずれ)、信号の出力や取引の条件などがあります。これらのパラメーターは、pineスクリプト上で指定することができます。
また、バックテストの期間も重要な要素です。過去のデータでバックテストすることになるので、期間をどのように設定するかは重要な判断です。期間を短くすると、より最新の市場環境に対応した戦略が得られますが、過去のデータから学ぶことができる範囲が狭まります。一方、期間を長くすると、より多くのデータから学ぶことができますが、現在の市場環境に対応した戦略でない可能性があります。
バックテストの期間は、ストラテジーテスター画面の「設定」タブで指定することができます。具体的な期間は、自身のトレードスタイルやマーケットの特性に合わせて設定することが重要です。
バックテスト結果の解析とパフォーマンス評価指標の確認
バックテストが終了すると、ストラテジーテスター画面にてその結果を確認することができます。バックテスト結果は「パフォーマンスレポート」として表示され、さまざまな指標を確認することができます。
具体的な指標としては、トレード数、勝率、平均リターン、最大ドローダウンなどが挙げられます。これらの指標は、自身の戦略のパフォーマンスを客観的に評価するための重要な情報となります。
また、バックテスト結果をグラフとして表示することもできます。これにより、チャート上に戦略のエントリーポイントやイグジットポイントを可視化することができます。さらに、各トレードの利益や損失の分布なども確認することができます。
バックテスト結果の解析は、自身の戦略の改善やパラメーターの最適化に重要な役割を果たします。
トレードログの表示と取引履歴の分析手法
バックテストの結果から、さらに詳細な情報を得るためには、トレードログを確認することができます。トレードログには、各トレードのエントリー時刻、イグジット時刻、ポジションの利益などの情報が記録されており、戦略の改善やパフォーマンスの評価に役立ちます。
また、取引履歴を分析するためには、チャート上にトレード履歴を表示することもできます。これにより、トレードのタイミングやポジションの変化など、より詳細な分析が可能となります。
ストラテジーテスターは、トレードログの表示や取引履歴の分析も簡単に行うことができるため、自身のトレードスタイルに合わせた改善策や戦略の見直しが可能です。
バックテストの条件を最適化して戦略の改善を図る方法
バックテストは、トレード戦略の改善において重要なステップです。バックテストを通じて得られた結果やトレードログ、パフォーマンス評価指標を参考に、戦略の改善を図ることができます。
具体的な改善方法としては、パラメーターの最適化やロジックの見直しなどがあります。バックテストを実行する際には、いくつかのパラメーターを指定することがありますが、これらのパラメーターが最適な値であるかどうかを検証することが重要です。パラメーターを最適化するためには、複数の値を試し、それぞれのパフォーマンスを比較することが有効です。
また、ロジックの見直しも必要な場合があります。バックテストの結果を分析し、エントリーやイグジットの条件、損切りや利益確定のレベルなどに改善の余地があるかどうかを検討することが重要です。
バックテストの条件を最適化することで、より優れた戦略を構築し、トレードのパフォーマンスを向上させることができます。
ストラテジーテスターを活用したリアルタイム評価とトレードシミュレーション
最後に、ストラテジーテスターを活用してリアルタイム評価やトレードシミュレーションを行う方法を紹介します。
ストラテジーテスターは、過去のデータを利用してバックテストを実行するだけでなく、リアルタイムの価格データを用いてトレードのシミュレーションを行うことも可能です。これにより、自身の戦略が現在の市場状況に適応できるかどうかを評価することができます。
リアルタイム評価やトレードシミュレーションを行うためには、tradingviewのストラテジーテスター画面で「シミュレート」ボタンをクリックします。すると、現在の価格データがストラテジーテスターに取り込まれ、設定した戦略がリアルタイムで評価されます。
また、リアルタイム評価やトレードシミュレーションを通じて得られた結果やトレードログ、パフォーマンス評価指標をバックテストの結果と比較することも有効です。これにより、自身の戦略がリアルタイムの市場状況に対応できるかどうかを客観的に評価することができます。
以上が、tradingviewのストラテジーテスターを使用した戦略のバックテスト手法についての解説でした。初心者エンジニアの方にとって、ストラテジーテスターはトレード戦略の検証や改善に非常に役立つツールです。ぜひ積極的に活用してみてください。
(参考ブログ記事: tradingviewの基本的な使い方とは?, トレーダー必見!tradingviewの便利な機能)
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